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「こんにちは」 と顔馴染みのお客様がアンティークRinに 来てくれた 店長は今手が離せないとお伝えしたら 近くで買い物していたから 覗きにきたのよ、気にしないで と、言うので おしゃべりをしながらの接客になった じっくりとランプを見いっているので 鈴屋の方も確認しに ちらりと店内を見回しに行くと ガラスのショーウインドウの所で 何か動いた気がした 外から覗いてる人でもいるのかな? と思い 声を掛けようとカウンターから 出ていったが すでに通りすぎてしまった様で 誰もいなかった 残念 入ってくれれば良いもの 見てもらえるんだけどなぁ ドアを開けておきたいけど ドアベルが鳴らないと一人の時 気がつかないから仕方がないか アンティークRinへ戻ると 馴染みの客はまだランプを睨んでいた 「ステンドグラスが綺麗ですよね」 声をかけると 「そうなんだけど、これを置く場所が思い当たらないから、どうしようかと考えちゃうのよねぇ」 「あー、それ わかる気がします」 ゆるーい接客の後お客様が 帰っていったので 暇になってしまった 鈴屋の方へ何気なく向かうと やっぱり話し声がする事に気がついた おかしい この前の声も気のせいじゃ 無かったんだ でもね、 無人の店内 どこをどう見ても誰も居ない どこから聞こえるのか この際はっきりさせようと思い 店内をうろうろしてみた。 聞こえたり、聞こえなかったり どのくらい自分の耳に集中力していたのか分からないけど 多分方向はわかった気がする 目の前には 古いものだと思う 緑色の花器 その後ろには 壁 そう、ここから聞こえる 目の前に立って目を閉じて 耳を澄ましてみた うん、間違いない 声がきこえた方に手を伸ばして 触ってみた、そして軽く叩いてみた
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