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「で、どこに返してくればいいんですか?」 気持ちを切り替えて 店長に聞いてみた 「さあ、聞いてみたら?」 と、素っ気ない返事しかしてくれないので 仕方なく 飯田さんに聞いてみようと 電話をかけようと思った時 「何してるの?」 と、止められた 「飯田さんに誰へ返すのか 聞いてみようと思って」 なぜ止める? 椅子から立ち上がりながら 「重さんは知らないわよ」 なぜなら 家の工房の奥から出てきたらしく 誰も覚えがなく 飾って置いたが どうも寂しそう気がするし 孫が「ののさま帰りたいって」 というので ここへ持ってきた と、飲み終わったカップを手に 電話の内容を教えてくれた 「じゃあ、どうすれば?」 聞いているのにスタスタと歩きだすので 後を追いかけながら質問すると 「奴に聞くしかないでしょ?」 そっけなく答え 裏の厨房へへ行ってしまう 「奴に?」 奴ってだれ? 「話しをして聞くしかないでしょ?」 面倒くさいオーラをだしつつある 「はなし?」 「そう」 カップを片付けてさっさと お店の方に戻ってしまうので 私はピッタリ後をくっついて歩く 「誰に話を聞くんですか?」 愛さん、、じゃないよねぇ? はあ?って顔をして私を見てきたが 店長は私の表情を見て 怒るのを辞めたらしく ため息まじりに 「、、、、重さんが 持ってきた奴、本人に」 言いたくなさそうに言った 「じゃあ、聞いてください」 「無理」 お願いしてみると 即答してきた 「聞いてくださいよ」 本当に嫌いなんだなぁ と思いつつ 再度 お願いしても 「勝手にどうぞ」 冷たい言葉しか返ってこない 「いやいや、無理ですよ 話せないし」 私にどうやって聞けっていうのかしら? 「話してたでしょ」 「きこえませんって」 「私は嫌」 「てんちょ~」 「知らないわよ」 突き放した 勝手にやれと、、 自分で聞けと、、、、 何もしてくれないらしい 「、、、愛さん」 助け船をください と、困った顔をしてみせたら 「がんばってね 応援する」 にっこり笑って 応援しかしてくれないようです 「がんばってね」 店長まで同じ言葉を かぶせてきた 応援はしないらしい 「、、、おに」 私の呟きは聞こえた様で 「魔女だよ」 ふわっと訂正された愛さんの 笑顔の向こうで 店長が涼しい顔で仕事を始めようとしてる えー、、、 どうすればいいんだろう
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