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「おはようございまぁす」 言いながらアンティークRinに 入っていくと 「おはようございます」 いつもの通り店長がカウンターの 中から顔をあげてくれた 「すごい雨ですね」 今日の天気は雨、 結構な降り方で風もあるので なかなかの濡れ具合で 足元が大変なことになってる そんな私を見て 「使いますか?」 どこから出てきたのか ドライヤーを持ってきてくれた 「ありがとうございます」 お礼を言って有りがたく受け取り いつも愛さんが座る 椅子にかけて濡れたズボンに 温風を当てた あー、温かーい 乾くかなぁ 「店長もコレで乾かしたんですか?」 余りにもすっと出てきたので てっきりそうなのかと思って 聞いてみたら 「私は着替えを持ってきました」 と さすがの答えが返ってきた おもに私が話して 店長は一言、二言返事をしてくれるような おしゃべりをしつつ ズボンも乾きそうな頃に 店長が私にパソコンの画面を向けて 「新しい商品です」 と見せてくれたのは 趣のある香炉 「あ、いいですね」 鈴屋の方にはほとんど居ないけど やっぱりセンス良いんだよね お上品な感じが素敵 スクロールして見せてくれたのは シンプルなお香立て お、これも良い 「で、香の方は藍山さんが選んでください」 そういいながら、お香の種類の画面を 私に見せてくれた 「え?いいんですか?」 嬉々として答えると 「適当に見つけてください」 おお! なんか嬉しい 線香みたいな棒とか、渦巻きとか 円錐やら形も色々有れば 香りも色も凄く多い。 ラベンダー、ジャスミン、 白檀はもちろんの事 桜、若草、金柑、スミレ、ローズ 沢山あって迷っちゃう 良さげな物をチェックしていると 段々増えてしまった 15種類は多いのかな? 「店長、いくつ位選んでいいんですか」 そう聞くと、 「サンプルをお願いするので 10以上あってもかまいません」 と、言ってきた 10以上、、じゃあ、2つくらい 減らしておこうかな 同じような香りかな?と 想像を働かせて どれを外そうかと迷っていると わたしのメモをみて 「いいわ、それ全部頼んで サンプルが来てから絞ります」 選べない私に気がついてくれていた お香のリストを店長に渡して 私は鈴屋の方で店番をするので 「じゃあ、向こうに居ます」 声を掛けて 行こうとしたけど、 思い出した 「そういえば、昨日図書館で色々 しらべてきたんですが、ののさまの事 さっぱり分かりませんでした」 いいながら 店長の方を見ると 微動だにせず何かしてる 聞こえなかったかな? 「店長?昨日図書館へ行ったんですが さっぱり分からなくて どうすればいいですかぁ」 聞こえるように 言い直してみたが 無反応 あれ? 「店長?」 「店長」 すると 「聞こえません」 って、 あぁ、そっちですか、 聞いてくれないんですね 切ないなぁ
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