4/6
前へ
/67ページ
次へ
この天気だとお客様は来なそう なので、本腰を入れてののさまを 調べられるかなぁ 台座とか装飾とか細かいところから 攻めていけば もしかしたら何か解るかも しれない そう思ってののさまを 「おはようございます」 と、テーブルに出した 台座、、っていうらしい ののさまの足元のお花 蓮の花が多いんだって 昨日知ったんだ 知識は無駄にならないのだ 台座、蓮の花 と 携帯に打ち込み画像検索 をかけて、、、、 ん? あれ ののさま? おーい 観音様? 姿が無い 出てこない 「、、、店長、、、、てんちょー」 あぁ、呼んでも来てくれない アンティークRinの方へ急いでいき 「店長!ののさまが居なくなりました」 伝えたんだけど 何も言わず私の顔を真っ直ぐ 見つめてきた いやいや、すんっておすまし してる場合じゃないんだって 「来てください 見てください」 無理やり店長を引っ張ってみたけど 鈴屋との間のスウィングドアまでしか 動いてくれない 「そこででもいいから見てください ののさま居ないんです」 ほら!! っといわんばかりに目の前に出すと 店長は隠れるように下がった 「寝てますか? お出掛けですか? 成仏しちゃいましたか?」 どうなの?! と店長を凝視していると 一言 「ついてます」 「え」 ついてる、、 ラッキー の方じゃなくて? 憑いてる? 「、、、なんか、怖い言い方ですね」 「ののさまちゃんと居るんですか?」 念を押すと 「残念ながら」 と 冷たい目で言う 「それ、ワケわかんなくなるので やめてください」 居ていいんです、 「もういいですか」 と戻ろうとするので 必死で止めた 「見えないんですけど」 目を凝らしても 細く薄目にしても なにも変わらない 「それは藍山さんの問題です」 「え、じゃあ 聞けないじゃないですか」 「やっぱり話せるんですね」 「あ、そっか、話せないからいいのか」 「、、、どっちなんですか?」 店長は怪訝そうに眉をひそめた 「話せないですよ」 なんかコントみたいな言い合いに なってきたけど、 「、、、」 「でも、どうしよう、、」 この前は見えたのにどうして見えなくなっちゃったんだろう 「、、、」 「あ、そか、こっち見ながら 探してるからいいのか」 形を見て探してるから 話を出来なくても問題はないんだ よかった、 「居るなら問題無いです」 笑顔で店長の方を振り向いたら いないんかーい。 すでにアンティークRinへもどっていた
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加