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茨城県につく頃は雨も上がって 日がさしてきてほのかに暖かい 福良木観音堂へは迷うことなく すんなり来ることが出来た 寺院の中は空気が清々しい 気持ちがいいってこういう事なんだろうな お参りをさせてもらってから 寺院の方に声を掛けさせてもらった 軽く説明して 観音様を見て欲しいと お願いすると 「お待ちください」 と男の人は奥に消えていった 少しすると 作務衣を着た小さなおばあちゃんが 出てきてくれた 「ご用が有ると聞きましたが」 と言うので 「お忙しいところすみません おあずかりしている観音様について 何か解ることがあれば教えていただきたい のですが」 と、前置きをして 飯田さんから聞いた事を説明した その間おばあちゃんは 渡した観音様を優しく見つめながら 時折私の顔を見て うなずきながら聞いていてくれた 一通り話すと 「そうですか」 そう言って よいしょ と立ち上がって こちらへどうぞ と、案内され 本堂の大きな観音様の奥へ続く 廊下を歩き ちょうど観音様の背中側に回ってきた 「昔の話ですが ここ一帯が大火事になったときに 近隣の民の方々が必死で仏像や用度品を 避難させてくれたのですが、 その時の混沌で何体か消失して しまったり、 火事の後の難をしのいでいる民に お譲りしたり 三十三体あった観音様も今は22体です」 見ると6段の雛壇の4段途中まで しか観音様が置いてなく 残りの上の方の段には観音様が 書いてある木の板が代わりに置いてある 「そして、時々こうしてお戻りくださる」 私と話ながらも 作業中の男の人に指示をして 木片を1枚外してもらっていた 「保管してくださっていたのは 飯田さまと言いましたか?」 私に確認して木片の裏に筆で 何かさらさらと書いて 「こちらをお納め頂くように お願いしてもよろしいかな?」 渡された 「はい」 と 受け取り見てみると 飯田殿 御礼 福良木観音堂 って書いてある そして 「これは、貴方に ご足労いただき ありがとうございます」 根付けを差し出した 小さな観音様のお守り 「ありがとうございます」 来てよかったなぁ 深々と頭を下げる おばあちゃんに見送られて 私も負けじと一礼して本堂を出てから スッキリとした気持ちで 店長に電話をした 「お疲れ様です 今返してしました」 “それはお疲れ様です では気を付けて帰ってきてください 詳しい報告は私には要りませんが 明日にでも重さんには お伝えしてください” 「はい、分かりました」 電話をしつつ授与所にある御神籤が 目に入りどれか引いていこう と見ていると ”お守りとかいりませんから” しっかり釘を刺された かわいいお守りも沢山並んでるのにな 「はーい」 そう言って電話を切って 一番シンプルな御神籤を引いた 中吉 ビミョー、、、 普通こんなときって大吉とか出ても いいと思うんだけど、 まあ、仕方がない 美味しいもの買って帰ろう 焼き芋と干し芋が美味しいところ あるらしいからねぇ あと気になるのは メロンバウムクーヘン 必ず探しだして見せるわよ 待っててね、芋
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