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「えっと、そ、そのー」
何と言おうかと言い詰まる桜邏。
それを面白がってみていた瀬翔がさらに面白くなるだろうと見据え、爆弾発言をした。
「桜ちゃんは、偶に本音が出るくらい生徒会長基生徒会の事があまり好きじゃないのよ?」
─えぇ〜こんな可愛い子にぃ会長嫌われてぇ・・・え?生徒会自体ってぇことぉ?マジでぇ??
「おれた・・・事、きら・・・?」
しゅん、と犬のようにあるはずのない耳としっぽを下げた珠に、桜邏は動物達に感じるような胸きゅんを感じた。
「い、いえ、書記様も会計様も今はもう嫌いじゃありません!むしろ好きです!」
「ほん・・・に?」
「はい!」
─反則だろぉー!ワンコめぇー!
「なら・・・」
「えっ?」
珠は、立ち上がると、桜邏の近くに寄った。
「なら・・・おれ・・・と、あらたって・・・んで?」
耳元で囁かれた言葉は、桜邏を硬直させるには十分な程だった。
「あ・・・は、はい・・・」
「あ〜!珠ずるい〜!ねぇ、俺の事もぉ零舞ってぇ、呼んでぇ?ね、桜邏ちゃん?」
「え、えっと・・・」
─これは・・・言った方が安全か?
二人に迫られ戸惑う桜邏だが、呼んだ方が安全だと感じ、恥ずかしながらも、呼ぶことにした。
そんな三人を瀬翔は、ニマニマしながら見ていた。
「えっと・・・珠くんと・・・零舞先輩・・・?」
「「・・・」」
黙る二人に、桜邏はどう反応していいものか迷った。そんな三人・・・四人のいる保健室に近づいてくる気配に気づいた瀬翔は、すこし失笑したが、すぐさま戻し、その存在を言うことにした。
_回想終了_
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