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「なんだよ?って九条、お前やっと来たのかよ。今までどこで何してたんだ?」
「えっへへー。ひーみーつ★」
「・・・そうか。取り敢えず座れ。」
「はーい」
立っていた桜邏を咎めない直樹に、更に生徒達は目を丸くした。
「ふう、今日は転校生が来ている」
そう直樹が言うと、生徒達は先程の事を忘れ、転校生の事についてザワザワと話し始めた。
─コイツらある意味すげーな。てか、コイツなんで未だここに座ってんだ?
生徒達の豹変ぶりに、苦笑した桜邏だが、いつまで経っても前に座り続ける西都に微妙な感情を抱いた。
「はいれ、九栗。」
─名前呼びじゃ、ないだと?!
ホストな直樹に、王道的展開を望んでいた桜邏は少し残念に思ったが、容姿はマリモだと言うことが分かっているので、まだマシだろうとため息をつきながら思った。
「直樹!俺のことは麻理って呼べって言ってるだろ!」
─はい、アンチー
「何この毬藻!」
「うわーキモっ」
「かわいぃ系がぁ、良かったのにぃ〜!」
「てか、何で最原先生の事を名前でしかも呼び捨てで呼んでるのよ!」
「王道ktkr!!」
ざわめく生徒達の中に紛れて言い放たれた西都の言葉は、確りと桜邏の耳に届いていた。
面白いことを思いついたのか、桜邏は西都に呼びかけた。
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