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「──てぇーおきてぇー!ねぇー、王道君行っちゃうよぉ〜!」
「あうっ!」
「あ〜、起きたぁ」
「食堂行かなきゃ」
「ねぇ〜、俺も行っていぃ〜?」
「うえっ?あ、うん。」
結局寝てしまった桜邏は、確りと起こしてくれた西都に感謝しながらも早足で食堂へと歩を進めた。
「ね、ねぇ、何処に行ってるのぉ?」
「えっ?食堂の別ドア。」
「え?そんな所あるのぉ?」
「うん、騒がれたくないでしょ?だから。」
「へぇ〜初めて知ったやぁ」
「まあ、これはあんまり人に言っちゃダメなんだけどね。」
「ゑ」
サラリと桜邏が言った言葉に驚きを隠せない西都だったが、少し歩くと通常のドアと同じ様なドアが現れた。
「ここ?」
「そう。」
ーガチャッ
開けると、食堂とは少し離れたテラスのようなところに出て、もう一つドアをくぐると食堂に出た。
桜邏は少し見渡すと、彩貴が手を振っているのを見つけた。
「席はどこでもいい?」
「うん。」
「じゃあ、王道君の近くでも?」
「喜んで!って、え?」
「あ、そのチャラ男語忘れないようにね?」
「あ、はい。」
小声で喋りながら話していると、彩貴の元へと着いた。
「アヤちゃーんお待たせ☆」
「待ってねぇよ。」
「アヤちゃんがグレた!」
「いや、この言葉だけでグレたとか言います?」
「ママはそんな子にアヤちゃんを育てた覚えはありません!」
「こんなママに育てられた覚えはありません」
「アヤちゃんがいじめた〜」
「何言ってるんですか、隊長。」
「「・・・」」
二人の会話についていけない西都は、一人取り残され少ししょぼんぬとした顔をした。
二人が沈黙に走ると、これ幸いと西都は話しかけた。
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