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ーprrrrrrprrrrrr
「もしもし?」
『あ、アキラちゃん?アタシよ、ア、タ、シ♡』
突然の電話に対応したのは、この学園の理事長、九条 晶。
「あー、瀬翔先生?」
『そおそお、瀬翔よぉ『Nooooooooooo』
「! 桜邏の声?!ど、ど、ど、ど、どうしたんだ?!」
桜邏の断末魔を聞き、親バカな晶は、桜邏に何かあったに違いない・・・と、今すぐにでも倒れそうなぐらいふらふらしながらも必死に聞いた。
『そうねぇ、朝の挨拶でバ会長に突き飛ばされて捻挫したって所かしらァ』
──あの野郎!!・・・・・・・・・え?捻挫?
バ会長に突き飛ばされた、という事実に一時気を取られたものの、続いて発せられた言葉に微笑の時間なものの思考が停止してしまってた。
「ハッ!・・・今行く!」
ーガチャ
「うっ、うっ、うっ」
今にも泣きそうな桜邏を慰めていた。
珠も桜邏にぎゅうっと抱きついていた。
「んもぉ!何時までもメソメソしてちゃダメよ?いづれアキラちゃんにバレちゃうんだからァ」
「で、でもぉこの学園、理事長室から保健室まで軽く走って7分以上かかりますけど、あの人絶対五分以内に来ますよ!もうボクわかります!」
──えぇ?そんなにぃはやく来るのぉ?無理じゃなァい?
「えー、いつもの事じゃな〜い!」
──いつもの事?てか、理事長速・・・
桜邏と瀬翔の会話に自然にツッコミを入れれないまま、幼馴染な2人は困ったように顔を合わせた。
ーバァァァァアンッ
ビクッと肩を震わせた桜邏に、最初は音で驚いたのかと思った2人だが、桜邏の顔が段々と青白くなっていくのに気が付き、不思議に思った。
「桜邏ぁぁぁぁぁぁあああ」
その声に驚き2人は振り向くと、そこには理事長が居た。
そして、その声を聞いた桜邏の行動は早かった。
珠の腕を掻い潜り、見事瀬翔の後ろに隠れたのだ。
「えぇ〜とぉ、理事長ぉせんせぇ?」
「あっ、君達は・・・生徒会の会計君と書記君だね?」
「あっ、そぉでぇす!」
「そ・・・す」
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