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「いいよ、どうせ格好悪いのは今更だから隠す必要ないし。それに直ぐに渉太のも見せてもらうから。今日は俺が脱がせてもいい?」
視線を泳がせている渉太を逃さないと言わんばかりに顔を覗き込んで問うてくる。
いつも雑誌で一方的に眺めている顔が、目と鼻の先にあって、夢なのか現実なのか分からなくなる。言葉を発する余裕もなくて、首を振って頷くのに精一杯だった。
「はい、バンザイして?」
「バンザイって……俺、子供じゃないんですけど」
服の裾の両端を持たれてお着換えする園児を相手するような口調で促されて、少しだけムッとした。渉太が拗ねた様にボヤくと、すぐに察したのか、顳かみにキスをされて宥められる。
「分かってるから。渉太を子供扱いなんてしたことないじゃん?」
軽くキスされてからシャツを捲られる。首元まで捲られる途中で胸元の右の突起に刺激を感じて、思わず溜息が漏れてしまった。
「りっ、律仁さん‼」
「ごめん、ごめん。拗ねている渉太が可愛くて悪戯したくなった」
そう笑って謝りながらも、シャツの襟口から頭を引き抜ぬかれて、ラックに置かれる。
すると律仁さんが膝立ちになり、腰を抱いてきたかと思えば、実なる果実に触れるように左胸の突起に唇を寄せられた。
「んっ……ツ……あっ」
謝っておきながらも、弄るのをやめてくれない。柔らかくて生暖かい舌に突起を吸われて、胸を逸らせては甘い声が漏れる。心地よくも緩やかな刺激と、時折上目遣いで渉太の顔を見ながら、突起を生々しくリップ音をさせながら啄んでくる律仁さんの姿が色っぽくて、感覚でも資格でも欲情を掻き立ててくる。
ふと、二十歳頃の律が「もぎたて果実」などとうたったリップクリームのCMでサクランボに唇を寄せていた場面が頭によぎる。当時十五歳と思春期真っ只中であった渉太は、その映像を見て思わず勃ってしまう程の色っぽさに、彼で抜いてしまった時のことを思い出した。
それ以降は推しのアイドルを汚してしまったような罪悪感から律で抜くようなことはしなかったが、当時の恥ずかしさや興奮を思い出し、自分の中に潜む欲を更に煽らせてしまった。
「り、律仁さんっ……待って。これじゃあシャワー浴びれないです……」
渉太は僅かに残る理性で律仁さんの額を抑えて胸から突き放す。タダでさえ律仁さんが俺にすることのひとつひとつに熱が上がるほど高揚して、ドキドキで心臓が持たないのに·····。これ以上続けられると浴室に入るまで持たない··········。
「そうだね、下も脱がなきゃね」
律仁さんの行動ひとつひとつに着いて行くのに精一杯の渉太をよそに、余裕の表情で微笑んでくると、ベルトに手を掛けズボンを下ろされる。その流れで下着にも手を掛けようとしていたところを咄嗟に律仁さんの手を抑えた。
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