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「じゃあ、壁に手ついて俺にお尻向けてくれる?」
「ふぇ……⁉それは流石に無理ですっ」
律仁さんに突拍子もない提案をされて狼狽える。彼に恥部を晒すなんてできる訳がない。
以前のような怖さとかではなくて、明るいところで恥部を晒す体勢になるのは単純に恥ずかしいからだ。
渉太は頭を左右にブンブン振って、否定すると律仁さんが残念そうに眉を下げた。
「そっか……じゃあ、渉太が自分で解す?渉太のしているとこ見られるならそれはそれで嬉しいけど……」
「じ、じ、じ、自分でするなんて無理です。や、無理じゃないけど、律仁さんの見ている前でなんてできる訳ないじゃないですか?」
「そう?俺的にはライブの数倍興奮するけど?」
「興奮って……比べる対象が間違ってますっ‼」
ライブより俺との行為が数倍興奮するなんてド直球で言われて、蒸発して立ち眩みを起こしそうなほどの羞恥心に見舞われる。
恥ずかしさで渉太が怒気を込めて律仁さんに問い詰めると、彼はぎゅっと身体を抱きすくめてきた。
「渉太がそういうならやっぱり今日はやめとく?」
こんなの狡いに決まってる。首元に顔を埋められながら、弱々しい声音で問われ、自分の腿に雄雄しい高ぶりを押し付けてくる。多分、律仁さんも相当我慢をしているのではないかと伺えるところから、断る理由にはならなかった。
「それも嫌です……。俺だって律仁さんを気持ちよくしたいです……。自分じゃ上手くできないから……お願いします」
「もちろん。でも、本当に嫌だったら言ってね」
律仁さんに腕で抱えられるように頭を撫でられた後、渉太は彼から離れると、浴室の壁に手をついて、お尻を突きだすようにして脚を広げ、腰を引く。顔を俯ければ、先ほど律仁さんの手の中で爆ぜたことによって、萎んでしまった己のモノが目に映り、得も言えぬ羞恥心を覚える。背後から、律仁さんが覆い被さってくる気配がして、石鹸か何かを纏った指で出入口を人撫でされる感触がした。
「っ……」
突然の異物感に自然と窄まりに力が入って、指をきつく挟む。
「渉太。俺の指に食いついて、そんなに欲しいの?」
「ちがっ、そんなつもりでしたわけじゃ……」
「力抜いて、リラックスして」
弁解しようと振り返ったところで、再び入り口を撫でられ、渉太は歯を食いしばった。
力を抜いてと言われても、本来は入るところではないし、経験の浅い渉太に余裕なんてものがあるわけない。
前回だって律仁さんに解された時、違和感でしばらく体が硬直していた。こんなことだったら、恥ずかしがらずに自慰をちゃんとしておくべきだったと後悔する。
そんな全身を強張らせている渉太の緊張を解かそうと、律仁さんが背中にキスを落としてくる。頬を持って顔を右に向かされると、唇にキスをされたことで少しだけ緊張が解れた気がした。
「ん……っ」
律仁さんのキスは気持ちいけど、弄られている窄まりの違和感はなくならない。奥へと指が進むにつて、苦しくて早く抜いてほしいとさえ思ってしまう。
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