しっかり者のフェリアちゃん

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しっかり者のフェリアちゃん

「よかったあ、フェリアちゃん熱下がったのね」 基本のんびり気質なお母様がほっとしたように言う。 「うん、もう大丈夫。これからは体調管理に気をつけるから安心して」 死亡フラグを一つずつ潰していくことが重要だと思う。 この世界ではこまめに手を洗わないし、 毎日湯船につかるなんてこともしない。 でも、日本という国ではそれが当たり前だった。 この世界でもそうしよう! 我が道をゆくのです! 「フェリアちゃんったら、しっかり者になっちゃって~嬉しい成長だわ」 頬をつんつんされる。 むう。もう12歳だよ?子供じゃないからね。 お父様が心配そうに質問する。 「フェリアはパーティーに参加するかい?病み上がりだから、心配なんだよ・・・」 そうだね。病み上がりはそっとしておいて欲しい。ぶり返したら、嫌だし。 パーティーというのには、もんの凄く興味があるけどね! 「やめておきます」 「でもねえ、貴方。王族主催のパーティーよ?断れるかしら?」 この国には王様がいる。 1番の権力を持っているから、王次第で国の在り方が大きく変わると言われている。 今は、賢王と呼ばれているくらいなので、国家滅亡の危機とかにはならないと思うけれど。 というか、王族主催のパーティーだったの!? 行く!行かなきゃ駄目でしょ! 王の機嫌を損ねただけで一介の令嬢の首なんかストンでしょ!あーこわ! 「お父様、お母様!私やはり行きます! 熱も引きましたし、パーティー楽しみにしていましたもの」 元気よく言う。 熱がぶり返さないかは心配だけど、無理をしなきゃ大丈夫でしょ。 「そうかい?フェリアがそう言うなら」 「・・・そうねー」 お父様もお母様もしぶしぶ納得してくれたみたい。 少し心配性な人達だからね。
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