ノンタイトル

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ノンタイトル

 空は青色帯びるのに  心は灰色の影覆う  心地よい風は足を軽くするのに  影を引きずる重りは鎖のようで  そういう私は今日も  水溜まりに靴を湿らすんだ  私の両親は向かい風  窓辺から日差しが差し込んで  世界を劇的に変えるのに  私の心にはいつまでも  光は差し込まないままで  そんな私は今日とて  部屋の片隅で足の爪を切るんだ  私の姉はちょっぴり向かい風  木々が外気に触れるたび  花弁と木葉に音が染む  (くも)の裏から光が漏れて  心の隙間にそっと寄り添うようで  そうして私は今日も  ざわめきに耳を傾けるんだ  私の友達はそよ風  否定ばかりの毎日は  白黒の世界で迷子する  肯定された1日だけは  灯された明かりが私を導くようで  そして私は今日も  手のひらを白日に掲げるんだ  私の先生は追い風
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