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第1章 同期はクールなヤツでした。
ここは、とある出版社 広報(広告)部。
お昼休みが終わった午後の業務、頼まれていた大量の書類を手にコピー機の前でボーっと大量に印刷される白い紙達を眺めていた。
「ふあ~ぁ、眠いなぁ……」
本当、昼ご飯のあとの仕事ってヤル気が出ない。
大欠伸をしながらディスプレイをポチポチ押すこんな姿を、また上司に見られたら確実に怒られる。それでなくてもだいたい怒られているのは日常茶飯事だ。
――――――
―――
「はぁ!? なんで通んないんだよ煌月!」
「煩い。大声を出すな。そんな先行きわからない企画は採算が合わないんだ」
「お前ら編集部が持ち掛けた企画だろ! そう思うならもっと考えてオレ達に仕事を振れよ!」
自部署の奥でコピーをしている中、デスクの方が騒がしいなって思ったら、まーた始まった。アタシの頭を悩ます編集部のバカ男【 煌月 ジン】(29歳)が今日もまた、他部署に喧嘩を吹っ掛けている。
それも相手の男は営業部。そもそもここが広報部だってわかっているのか?
だとしたら、どうして編集部と営業部がいるのか意味がわからない。自分のところでやってほしい。揉め事を起こすと被害と犠牲を被る羽目になるのはこっちなのだから。
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