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「人間を、辞めろ?」
キング魔法石採掘所で働く条件は人間廃業して、ゴブリンとして生きるということは、もう人間社会には戻れない。人間の敵になるということだ。
同時に、人間社会で築き上げてきた全ても捨て去るということ。
しかし、少年が築き上げて来たものは、人間社会の冷遇による怒りと、憎しみ、恨みの歴史のみだ。だから人間社会に復讐しようと思ったのだ。そんな人間社会に人間として生き続けても、何も変わらない。
ゴブリンとして、ここで職業とスキルを手にいれて生きていたほうが、遥かにメリットがあるのではないか。
デメリットとして、人間に命を狙われやすくなる存在となるが、自分の存在は既に人間たちから何度も蔑まれている。今さらどう思われても何も変わらない。そんな思いが嫌われる勇気に変わる。
「ぼくは人間を辞めますっ!」
少年ははっきりと言い切った。
「よく決断したな。うちは人間は雇わないんだよ。ロクな思い出がないんだよ。虐殺スキルで一度こてんぱんにされてるからな。じゃあ、採掘所を見学させてやるから、ヤッケを着ろ!」
キングは椅子からゆっくり立ちあがり、テントの出入り口に向かう。
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