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河原塚さんの叫び声は他の二人に引っ張られ、オフィスからどんどん遠くなっていった。一人残された三和さんは驚いた様子で、じろじろと彩響の顔を見る。なぜ自分が選ばれたのか、その理由が分からないようだ。その反応に彩響は少し心配になり、改めて確認した。
「洗濯するのが面倒でいつも困っていたから、あなたが最適だと思いましたが…もしかして都合が悪かったりしますか?」
「え?あ、いいえ、全く問題ございません。働きます。」
「じゃあ、これで大丈夫かな?」
二人の間にMr. Pinkがすっと入ってきた。片手にはペンを、もう片方のは紙をパラパラしている。内容を見なくてもそれが何なのかはすぐ分かった。彩響は力強く答えた。
「はい、この人、三和寛一さんでお願いします。」
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