着物、おかっぱ、異文化交流

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 市場を通り抜けて、大通りを真っ直ぐ進んでいけば城に辿り着く。ただ先日のフェンリル襲撃以来、街の警備が強化されていて、道中はいつもより巡回中の衛兵が多い。その中にエドワードの知り合いがいて、挨拶されることもしばしばあった。 「エドワードさん!こんにちは。もう出歩いても平気なんですか?」 「あぁ、見ての通り大分不自由ではあるがな。動かないと身体もなまるし」 「やっぱりそうですか……」  エドワードと何気ない会話を交わしていても、彼らの視線が向く先は大抵、連れ添っている異国の少女だった。確かにこの異装をした行商人はその容姿も相まって、街中ではかなり目立つ。しかし当の本人は行き交う人々や街並み、市場の商品を眺めては嬉々として目を輝かせていた。 「エドワードさんは年下が好みなんですか?」 「うぇっ!?げほっ、げほっ」  衛兵の男から投げかけられたあまりに唐突な質問に、エドワードは大きくむせる。 「違う、違う!断じて違う。あの子は極東の国から来た旅の商人なんだ。散歩がてら城まで案内している」 「あー!そうだったんですね!なるほどなるほど。さすがにあれくらいの小さい子に手を出したらいくらエドワードさんであれどまずいかなぁと……」 「だから違うと言ってるんだ!」
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