着物、おかっぱ、異文化交流

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 城下町の中央に堂々とそびえたつ白亜の白。その麓にある、豪勢な城門。そこに辿り着いて、イサナは懐かしそうに目を細める。 「城下町は変わっても、お城は変わってない」  彼女はずいぶんと大人びて見えた。 「それじゃあ、俺はここで。」  城には一般市民でも立ち入ることができるし、彼女のような行商人も王に直接会うことだってできる。エドワードのように傭兵組合五本指として功績を上げている者に至っては散歩気分で立ち寄れるような場所だが、彼にとってはどうしてもこれ以上先には進みたくない理由があった。だから、ここで足を止めて、彼女に手を振る。 「えぇ、ありがとう。エドワード。また後で会いましょう。夕刻頃にそこの角で待っていて」  そう言い残して、おかっぱ頭の少女は先へ歩んでいく。  __あれ?そういえば俺、あの子に名乗った覚えがないな……
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