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真夜中の龍
月も 星もない
真っ暗な夜には
龍が住んでいる
ぐうぐうと唸りを上げながら
遠い空の奥で蠢く
稲妻もなく
雨もない
ただ空の奥で
ぐうぐうと音が生まれる
暗雲に覆われた空の奥で生まれる
龍の唸りが
闇を振動させている
不吉なことが起こりませんように
不吉なことは起こりませんように
数分後に落ちてくる雫は
彼らの汗なのか
彼らの涙なのか
闇に轟く 見えない姿で
遠い空の奥を
龍が渡っていく
悲しいことが起こりませんように
悲しいことは起こりませんように
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