縁側の予兆 3

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縁側の予兆 3

 僕はタマちゃんの頭を撫でながら、ハナさんに言った。 「ヒトガタ、もっと無理じゃない?」 「無理じゃないわ!」  突然、後ろから大声がした。  びっくりした。  振り返ると、真っ赤なワンピースの美少女が仁王立ちしていた。 「姉さん、いきなり背後に立たないでよ。」  ハナさんがご挨拶しに、姉さんの足元に寄っていった。  姉さんはハナさんを抱き上げてから、僕に言う。 「疾風!3月の最後の日曜、暇?」  いつも唐突だ。 「その日は学校の春休み課題するつもりだよ。」 「暇なのね!じゃあ1日、私に寄越しなさい!」  姉さんは、いつも強引に話を進めていく。  この女王様な圧力は、よく物の怪にビビられてる。まあ退魔が得意だからでもあるけど。容赦ないのは物の怪界で有名らしい。  僕もいつも振り回される。まあ、不利益になることは少ないから、いいかと思ってはいるけどね。
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