1. 年下の彼

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 八田くんは、見た目によらずがっしりとした両腕で私を抱え上げると、お姫様抱っこでベッドルームに向かった。  ベッドに降ろされる前に、もう一度キス。そっと膝をついて…キスしながらゆっくりと私をベッドに下ろす。  彼の顔を下から見上げる。潤んだ瞳と少し紅潮した頬。細くて長くて、少し節張ってるエレガントな指が私の髪に触れ、頬に触れる。  見つめあう…優しい時間。また唇を重ね互いに味わうように、確かめるように…一つ一つを丁寧に、味わう。  彼の手がTシャツの裾から入って、胸にそっと触れると、自分の口から甘い吐息が出るのがわかった。  好き…。大好き…。  八田くんの手が優しく、激しく、時には焦らすように…胸の敏感な部分を避けて触れる。 「触って…?」  掠れる小さい声でお願いすると、八田くんはふっと微笑んで私の服を脱がし始めた。  いつも優しくて紳士な八田くん。まるで高級な果物を包んでいる薄紙をはがすように、繊細な手つきで私の服を丁寧に脱がし、畳んでくれる。 「来て…」  八田くんに抱きしめられる。優しく、強い彼のことが好きすぎて思わず耳をかじる。  八田くんが漏らす、ため息のような吐息がセクシーで背筋がゾクゾクとする。  もっと気持ち良くなってほしい、もっと気持ち良くなりたい。2人でいることが、私と一緒にいることが、最高の喜びになるように…。  高め合い、目を合わせ、クスクスと笑う。 「好きだよ」と囁き合うのは、言葉の持つ力を知っているから。  八田くんの目が愛おしそうに私を見つめる。その目に映る私も、八田くんが愛おしい。  髪を撫でる彼の手。指を手にとり、口に含む。 「やばいっしょ、このビジュアルは」  指を外して、彼の中心を口に含むように促される。促されるがままに含み、滴らせ、口内で昂らせる…。八田くんの指が、手が…彼の中心を含んでいる私の頰に愛おしそうに触れ、耳をくすぐり、髪を撫でる。  大切な部分を愛すること。  敏感な部分を愛すること。  信頼があるからこそできること…夢中になって、貪る。 「もう、いいよ?替わろ?」  口から外されたかと思うと、足の間に八田くんの頭が沈む。息を飲む…声、出せない。  食べられるような、味わわれるような。丁寧な咀嚼。強く吸われたかと思うと優しく舐められる…繊細な動き。  声、出せない…翻弄される。八田くんの腕が私の腰をがっつりと押さえ込んでいるから、逃げることができなくて、ただ彼の愛し方を受け入れるしかなくて。  何度となく感じる軽い絶頂。刺激にどんどん敏感に、開かれていく体。  八田くん…。もう、我慢できないよ…?
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