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僕はすっかり安心して聡美ちゃんと共にしゃがみ込み兎の食べる様子を観察し出した。
その内、背後から紅葉を騒々しく踏みにじりながら駆けて来る足音が聞こえて来た。
僕はひやりとして振り向くと、いじめっ子が4人の仲間と一緒にやって来た。
「おい!立て!」といじめっ子の一人が僕に命じると、最上級生が蹶然と立ち上がった。
「君達、自分のしていることが情けないことだとは思わないのか!」
いじめっ子たちは最上級生に威圧され怯みながら顔を見合わせた。
「一人の者に対して寄ってたかっていじめようなんて以ての外だ!」
いじめっ子たちは何も言い返せなかった。
「もし、この子を袋叩きにするというのなら君らを卑怯者として先生に通告するぞ!」
いじめっ子たちはひそひそと話し合った結果、すごすごと退散した。
正に快刀乱麻を断つといった具合に僕の窮地を最上級生は救ってくれたのだ。
僕はこの人こそ本物の勇者だと思った。
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