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――技術開発部兵器開発特殊小隊。
陸軍の技術開発部に新設された部隊である。サリエル・アリ・アルジェフラは解散後すぐに上官に指示された通り、陸軍中央基地の片隅に建てられた研究施設を訪れた。
建物は古く、小さい。どう見ても古ぼけた倉庫を改装して利用しているようにか見えず、おまけに表の看板には「陸軍技術開発部倉庫」とある。倉庫だったことを隠そうともしていない。こんなところで兵器開発を本当に行っているのか疑わしい。
その時、鉄門扉がゴロゴロと不快な音を立てて開いた。中から現れたのは、一人の白衣の男。分厚い眼鏡をかけてひょろりとした風体はとても軍人には見えない。
「君が新人君かい?」
「本日をもって配属となりましたサリエル・アリ・アルジェフラ一等兵です!」
出迎えの人物に敬礼を行う。すると男はケラケラと笑い声をあげた。
「あはは! 似合ってるよ。でももうここでそんな堅っ苦しいのはいらないからね」
「は!」
そう言われても、困る。あの鬼軍曹に礼儀を叩きこまれた苦痛の時間が無駄になってしまう。
「だから、そんなのここではもう必要ないって。僕はテレスト・ハイ・セイレム。一応は君の上官。よろしくね」
「はあ……」
あまりの気安さに毒気を抜かれるサリエル。
「まあ来たまえ。我々の戦場はすぐそこだ」
踵を返し手を振って誘うテレストに、サリエルは従う他なかった。
二人は倉庫の中に消えた。
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