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どうも、巻き込まれです
魔法陣から2人現れたという事実に、人間風情、じゃなかった、人々は驚いている。
眼下の魔法陣は勇者召喚に使われるものだ。
ということは、ここは代々魔法陣の守護を担当するセイント王国の城の地下だろう。
神によって強制的に平凡な世界へただの人間として転生させられてから7年。
記憶改竄された人間の中で「家族」とやらをして「学校」とやらに通ってコミュニケーションスキルを磨いてみたが、どうにも俺には遊戯というか暇というか…。
そこで暇潰しに、問題を起こしまくるハーレムの中心イケメンに近づき、奴が「喧嘩の仲裁」と称した仲裂きや「チンピラに絡まれた女を助ける」と称した身代わりサンドバッグを行うのを見て内心大笑いしていたのだが、
運悪く奴が勇者召喚されたときに一緒に居たために俺まで巻き込まれてしまった。
思わぬ形での帰郷となったが、俺としては満足している。
召喚で転送されている間に一度神の空間に呼び出されたが、どうやら俺の魂に刻まれた魔力がこの世界との繋がりを作った――
つまり奴が勇者として召喚されたのは俺と一緒に居たから、ということだな。
非常に逆説的だ。
さて、では告げておかなければならない。
アゲハ「あ、勇者はこいつです!正義感が異様に強くて!俺は巻き込まれただけです!」
俺のひと言で皆の注目は未だ失神している茶髪バカに移る。
これだから人間の扱いは楽なんだよな…。
神の意思とは真逆に、あの強制転生は俺の傲慢さを増長させた。
傲慢って自覚してるだけ謙虚ってもんだろ?
あと敬語も覚えたしな。
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