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小さな家の前には小さな花壇があって、いつも黄色のパンジーが咲いていた。
「パンジーの花言葉は、小さな幸せ、なんだよ」
花壇の水やりを手伝う時、ひいばあちゃんはいつも言っていた。
おかげで、私はパンジーのことだけはよく知っている。
色によって花言葉が違うことも、愛情のかけ方で花びらの色の濃さが違うことも。
悲しくて、1人ぼっちの時、私は必ずひいばあちゃんの家に行った。
ひいばあちゃんはいつも言う。
「ばあちゃんも1人だよ。お揃いだから、大丈夫」
私の手を握るひいばあちゃんの手は、しわしわで細い指輪が左手の薬指にはまっている。
金色の指輪は、ひいばあちゃんが持っている唯一のアクセサリーだ。
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