あなたの手

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その言葉で、私の体内の面積どれくらい救われただろうか。 ひいばあちゃんがいれば、私は無敵だった。 こんなに素晴らしい味方がいるのだから、私は誰になんと言われようと、無敵だ。 そう思えた。 だけど、ひいばあちゃんが80歳になり、私が10歳になる頃、ばあちゃんの家でひいばあちゃんは暮らすようになった。 「老人を1人にしておけない」 という大義名分のもと、再婚相手と一緒に興じていたパチンコ代をひいばあちゃんの預貯金から引き出すことが目的だった。 そのことを知ったのは、少し後。
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