1.ヒーローなんてしたくねぇ

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火炎放射を撃ったのは、おれの新しい相棒だった。 ちぎれた右手の先からモクモク黒い煙をくすぶらせ、 サイボーグ・ポリス飛鳥(アスカ)は「どうだ」とばかりにポニーテールを揺らした。 「おい、アブねーな! ちょっと焼けたぞ!」 おれが思わず怒鳴りつけると、 飛鳥(アスカ)のやつ、 今度は口を真一文字に結んで「ムスっ」とした表情。 「……なんだよ、なんで怒ってんだよ?」 「怒ってない」 そう言いつつも、(くちびる)をツンと尖らせている。 どういうことかとたずねてみれば、 拳をぎゅっと握りしめ、ちいさな声でこう言った。 「わたしが倒すはずだったんだ……」 これにはおれも驚いた。 「……なんだオマエ、()ねてんのか?」 「……()ねてない」 (()ねてんじゃねーか!) 飛鳥は暗くうつむいた。 「『初日』だから、がんばって……きみに『いいところ』を見せたくて……」 ——でもダメだった、緊張した。(アタマ)がうまく回らなかった。 (え、えええ……メンタル()ぇぇ……) なんだかぜんぜん「ハナシ」ちがうぞ? こいつは気分に左右されない「スーパーポリス」じゃなかったのかよ???
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