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火炎放射を撃ったのは、おれの新しい相棒だった。
ちぎれた右手の先からモクモク黒い煙をくすぶらせ、
サイボーグ・ポリス飛鳥は「どうだ」とばかりにポニーテールを揺らした。
「おい、アブねーな! ちょっと焼けたぞ!」
おれが思わず怒鳴りつけると、
飛鳥のやつ、
今度は口を真一文字に結んで「ムスっ」とした表情。
「……なんだよ、なんで怒ってんだよ?」
「怒ってない」
そう言いつつも、唇をツンと尖らせている。
どういうことかとたずねてみれば、
拳をぎゅっと握りしめ、ちいさな声でこう言った。
「わたしが倒すはずだったんだ……」
これにはおれも驚いた。
「……なんだオマエ、拗ねてんのか?」
「……拗ねてない」
(拗ねてんじゃねーか!)
飛鳥は暗くうつむいた。
「『初日』だから、がんばって……きみに『いいところ』を見せたくて……」
——でもダメだった、緊張した。頭がうまく回らなかった。
(え、えええ……メンタル弱ぇぇ……)
なんだかぜんぜん「ハナシ」ちがうぞ?
こいつは気分に左右されない「スーパーポリス」じゃなかったのかよ???
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