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「『実験協力費』と言っただろ。いいか、これは『実験』なんだ。彼女の『性能』を試すための……」
大八木充がそう言って、婦警の腕をひょいと取ると、
持ち上げられた腕が肘から「ポキリ」と折れて中からなにか……
「レーザー銃」が飛び出してきた。
「わっ、ちょっ、バカっ! アブねーだろっ!」
思わず隠れようとするおれに、
「心配するな、安全だ」
充は澄ました顔でほざいた。
「飛鳥マークⅡはいわゆる『サイボーグ・ポリス』というやつでな。最新鋭の装備を有し、その判断は常に冷静。感情に左右されない点では人間など及ぶべくもないぞ」
——史上最高の警官だ。
……ほーん、そりゃー大したこった。
そんなに太鼓判を押されては、
むしろ疑ってみたくなるのがヒネクレ大人たちというもの。
おれの意見に同調し、千夜もうさんくさげに言った。
「なんだかあやしい話だわ。『史上最高の警官』が、『史上最低のヒーロー』と組む? ……『支給金』を使い込むような」
(おいおい、おめーもしつけーな……)
対照的にベルというと、すでに憧れキラキラだった。
「ほ、ほへー、かっこいいですわ……!」
それに気づいた飛鳥マークⅡは、口元をほんのわずかにゆるめ、
「……ふふん♪」
(あれ? 気のせいか? 一瞬、誇らしげな顔したぞ?)
だがすぐ元の表情に戻り、レーザー銃をしまった右手をおれの方に差しだしてきた。
「そういうことだ、シープマン。これからどうか、よろしく頼む」
「あ、ああ……よろしくな」
おれがその手を握ろうとした、
まさにちょうどその時だった。
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