気弱な僕の貯金の話

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僕の生活は苦しい。 だけど、以前借金で苦しんだ経験から貯金はするようにしている。 当然、生活費はかつかつだけど少しずつ貯金が増えることは嬉しい。 本当に貯金をしている人から比べると微々たるものでも、自分の努力が目に見えるのがいい。 今月はどれだけ頑張ったか? 今年は? 数字が増える度、僕の努力は実っている。 だけどこの話を晴耕にしたら馬鹿にされた。 「無意味だ」 流石に僕は今迄の努力をけなされたようで晴耕にくってかかった。 「大蔵省だって1000万円必要だっていうのに、それに備えてない晴耕には言われたくない!自分が出来ないからって努力までも否定しないでくれ」 「努力は凄いと思うぜ。その点については否定しねえよ」 「だったらなんでそんな事言うんだよ。意味が解らない!」 「結果の話だよ。価値は常に変化するのさ。だから下がるとわかって貯め込む事が無意味なんだよ」 「何を根拠に!」 「識者は歴史に学ぶ。愚者は経験で学ぶ。鉄血宰相ビスマルクの言葉さ。理由についてはよく考えな。考え、知りどうすべきかを学べ。そっちの方が価値があるんだよ」 晴耕はそう言って笑った。 僕には晴耕の言った意味が未だに解らない。 だけど、こんな事を言う晴耕は僕によくお金を借りる。 まぁ、返さない奴ではないんだけど。 誰か意味が分かる人いませんかね?
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