夏の随想

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車椅子の女の子がこちらにやってくる。いや、たんに逆方向に歩いているだけなんだろう。女の子は眩しい日差しに照らされてうつむき加減で車椅子を漕いでいた。僕が女の子を見ていると、女の子と目があった。僕は目を逸らそうとすると、女の子は何故か異様に驚いた顔をして、慌てて車椅子の向きを変えた。僕が女の子の突飛な行動に驚いていると、僕の隣の看護師が「チカちゃん!」と女の子を呼び止め、そのまま看護師は女の子に近寄っていく。すると女の子は「来ないで!」と叫んだ。
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