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東京に戻って五日。わたしたちはせっせと家づくりをしていた。4月のはじめということで、世間は入社式や入学式があったり、新たに迎える新しい一年に思いを馳せる頃だ。
それなのに凌は社長という立場を利用しているのか自由気ままだ。それこそADF+もBNも中途採用でしか人材をとらないということもあって世間一般にあわただしくも、彼らにはその特別感がないらしい。
ただ、これはこれで休みすぎではないだろうか、と心配になる。正式な育休はまだ少し先になる、と聞いていたのだが昨日も今日も家にいる。
「もう、ちょっと、凌？！」
「ン？」
そして、そんな凌は昨日届いたばかりのダブルベッドがとても気にいったらしい。それはそれでいいのだけど、何かにつけて寝室に連れこむのはやめてほしい。ここにベッドが到着してまだ24時間経っていないのに、もう片手では収まらないほどこうしてベッドの上で捕まっている。
「他に何すンだ？電化製品も届いたし、大まかな家具も届いた。昼飯も食ったし、洗濯物もいれて収納したし、怜空も寝たゼ？」
そう言われれば、ぐぅの音もでない。
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