星山静香(旧姓:香月)視点

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聞けば、結婚する前から丸富有華子はパーティーや会食に同伴することに難色を示していた。 普段はアトリエに引きこもり創作に没頭しており、寝食よりも創作に比重を置くような女だ。携帯の電源を切り、外をシャットアウトし、自分の世界に入り込み、それ故に気づけば数日飲まず食わずもあるという。 凌はそんな元嫁を気遣い、必要であれば食料を届けたり生存確認をしていた。 そんな話を聞いていると、私も両親も含めて仲良くしているもんだと思っていたし、わたしの勘が外れたんだ、とも思っていた。 子どもができるまでは。
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