9人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
病は、後は自然消滅を待つだけになった。
ワタシの体内環境が健康になったことで、病はその環境に適応出来なくなったのだ。
今、ワタシの体内では他の病原体が力を伸ばしているが、それは問題の病ほど悪質ではない。むしろワタシの体内環境を改善することにも使える、良質な病原体だ。
ある日、小さな友が言った。病に名前を付けよう、と。
名前。何故だかわからないが、ワタシはすぐに名前を思いついた。
ニンゲン。ニンゲンと名付けよう。
ワタシを長きに渡って苦しめた、恐るべき病ニンゲン。
ワタシの体内を破壊し、汚染し、傷痕を残した、進化する病、ニンゲン。
その生命活動も、あとわずかで終わるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!