家に行こう

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「あらまー!冬!」 今日はなぜか母さんが居間にいる。休みだったのか? 「こんにちはー!柴田尚巳(しばたなおみ)です」 「秋は今日出かけてたよね?」 「そうだけど…?この間会ったかわいいこちゃんね~」 珍しく母さんは尚巳にかけよる。そして、その手を握って見つめていた。 「お母さんもかわいいです!」 「もってなんだよ」 「わー嬉しい。もー冬、いじわる言わないの!」 母さんは楽しそうにしてる。尚巳のこと気に入ってる?だって兄ちゃんの彼女の手なんか握ってなかった。 「尚巳ちゃん、かわいい」 「えへへ。ねー冬のお部屋は?あるの?」 母さんを無視してしゃべる尚巳はマイペースだ。 「あるよ。秋と同じ部屋」 「冬、ねぇお母さん尚巳ちゃんとお話できて嬉しい!尚巳ちゃんすごいかわいい!お人形さんみたい」 母さんは尚巳を相当気に入ってるようだ。嬉しいけど、うるさい。ここから移動せねば… 「母さんもうだめ。ほら尚巳こっち」 「うん」 手を勝手に剥がして、尚巳を引き連れて部屋に連れて行く。母さんは名残惜しそうにしていた。 「ここ」 「わーお兄ちゃんみたいに本いっぱい」 「参考書とかね」 暑いからエアコンをつける。その間尚巳はキョロキョロして部屋中見てる。 「こっちの机は?ゲームとか雑誌いっぱいあるー」 勉強全然してない物置のような机である。 「それは秋の。俺もゲームやったりする」 「へー!」 「尚巳、とりあえず座れ。いっぱい歩いたし」 尚巳に秋の机の椅子を勧める。俺は隣の自分の席。 「失礼!飲み物お持ちしましたー」 突然ノックなしで、母さんが乱入してきた。 「わー!ありがとうございまーす」 「いいのに」 「いいから。ごめんね、麦茶しかなくて」 尚巳をじっくり眺めて麦茶を置いた。 「大丈夫でーす」 「ごゆっくりー」 にこにこした母さんが出て行く。まったく、しつこいな。でも、なんだか話せる気がしてきた。 「尚巳、この前の写真覚えてる?」 「うん?髪の毛白いの?」 「それ」 「うん。それが?」
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