episode262 急変

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「いいじゃないの。本人がやりたいと言っているのだから簡単なことでしょう――」 カタンとティーカップを置く音がした。 と同時——。 「簡単なこと?そう言うなら君がやれよ!双子ならバッチリ適合するだろう!」 ついに九条さんの中で堪えていた糸が切れたんだ。 「冗談でしょう!あなた、女の身体にメスを入れろと言うの?」 「こんな時だけ女だって?君の正体はもうみんな知ってる」 「あら、私の正体が何だというの?」 ずっと抱えていたものが今になって爆発。 「やめろって!」 薫が灰皿に煙草を押し潰すようにして火種を消す。 この時とばかり。 「和樹坊ちゃま——私も反対です」 中川が僕の足元に膝をつき手を取ると言った。 「何より征司様がここにいらしたら、そんなことをお許しになるはずないではありませんか」
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