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街中で流れる恋愛ソング。
友達との会話にふと出る何とはない単語。
その全てが私の記憶の隅を突いては苦しめた。
それほどまでに私は彼のことを好きになっていた。
私は彼の素っ気無いメールの返信を見ると大きくため息をついた。
あの日、私があんなこと言わなければきっと、きっと。
私たちははじまっていた。
でも、もう遅いのだ。
まぶたの奥が熱くなるのを感じ、ゆっくりと目を閉じた。
冷たい風が、私の髪の毛を揺らす。
私は1人夜道の真ん中で涙を流した。
そんな私に誰も目を向けることなく、ただただ夜空に浮かぶ星が黙って遠くから見ているだけだった。
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