はじまりのはじまり

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はじまりのはじまり

「ほのかと佐伯さんって仲良いよね」 「そう?ほんの少し話すだけだよ。」 佐伯さんというのは、写真部の先輩だ。 私が中3なのに対して、彼は高校2年生。 中高一貫のうちの学校は部活も中高合同だ。 うちの部活は人数が少ないと言うのもあり、先輩後輩の仲もとてもよい。 その中でも特に、私は佐伯 雄介先輩に気に入られているのか、良く話したり、連絡を取り合ったりしていた。 いや、本当は気付いていたのだ。 佐伯先輩が私に好意を抱いたことを。 そして、私は気づかないふりを通していたのだ。 私が、放課後の学校で写真を撮っていると、幼なじみの田口 和也がうちのクラスの日野山 ちひろと一緒に下校しているところを見てしまったのだ。 和也とちひろと付き合いだしたと聞いて、もやもやしていた。 私は和也のことがずっと好きだった。 「傷つくなら、見なきゃいいじゃん」
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