0人が本棚に入れています
本棚に追加
はじまりのはじまり
「ほのかと佐伯さんって仲良いよね」
「そう?ほんの少し話すだけだよ。」
佐伯さんというのは、写真部の先輩だ。
私が中3なのに対して、彼は高校2年生。
中高一貫のうちの学校は部活も中高合同だ。
うちの部活は人数が少ないと言うのもあり、先輩後輩の仲もとてもよい。
その中でも特に、私は佐伯 雄介先輩に気に入られているのか、良く話したり、連絡を取り合ったりしていた。
いや、本当は気付いていたのだ。
佐伯先輩が私に好意を抱いたことを。
そして、私は気づかないふりを通していたのだ。
私が、放課後の学校で写真を撮っていると、幼なじみの田口 和也がうちのクラスの日野山 ちひろと一緒に下校しているところを見てしまったのだ。
和也とちひろと付き合いだしたと聞いて、もやもやしていた。
私は和也のことがずっと好きだった。
「傷つくなら、見なきゃいいじゃん」
最初のコメントを投稿しよう!