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プロローグ
――夜八時。ここは都内のとあるFMラジオ局のスタジオ。
『では,今日最後の曲。Offisial髭男dismの〈Pritennder〉でお別れしましょう。また明日も聴いて下さいね~。お相手は,みんなのマッキーでした!』
「――はい,オッケー!お疲れさん!」
曲が流れ始めると,本番を終えてブースから出てきた〈マッキー〉こと女子高生DJの江藤真希にプロデューサーの片瀬学がねぎらいの言葉をかけた。
「お疲れ様でーす!」
「マッキー,今日の放送もよかったよ。また明日もよろしくね」
「はいっ!」
真希は都内の私立大翔学園高校の三年生。
ロングの黒髪にパッチリした目,鼻はちょっと団子っ鼻で,"美少女"というよりは"可愛い"という感じの顔立ち。身長は一五五~六センチとやや小柄。
そして彼女の何よりの魅力は,彼女の声。ちょっとアニメ声っぽい可愛らしい声が,リスナーである主に中高生達からの支持を集め,今や"カリスマ"とまで言われている。
そんなカリスマ女子高生DJ〈マッキー〉の誕生は,今から一年ほど前に遡る――。
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