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それは,真希が高校二年生になってすぐのこと。
「――ねえねえ,真希!これ見てよ!っていうか聴いて!」
ある日の登校直後,親友の辻元絵里が何だかテンション高めでスマホを真希に突き出してきた。
「えっ?……う,うん」
勢いにつられて真希が頷くと,絵里はSNSのアプリを起動し,タイムラインから一つの書き込みをタップした。
「えーっと,なになに?『ウチの高校の放送部のアイドル・〈マッキー〉のナマ音声で~す』!?……あっ,音声データ付きだ」
真希が画面をタップして音声データを再生すると……。
『みんな~,こんにちは~!みんなのお昼のお相手・マッキーでーす☆ ……』
「……コレ,あんたの声だよね?」
「うん」
その音声データは,大翔学園高校の放送部に所属する真希が担当しているお昼休みの放送の内容を録音したものらしい。
「ってことは,コレ書き込んだのってウチの生徒……ってことだよね?でも誰なんだろ?」
「あっ,待って待って!あたし,一人だけ心当たりがある」
絵里は犯人捜しを始めようとしたけれど,真希にはすでに思い当たる人物が一人いた。
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