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「こんなに身体が軽いなんて、初めてだ!」
出雲は狙われている少女の前に飛び出ると、俺が助けると叫んぶ。女性騎士と少女はこの男は誰だと疑問を感じるが、その少年から敵意は感じなかったので助けてくれていると直感で察していた。
「そんなボロボロの身体で無理しないでください! 死んでしまいます!」
ピンク髪の少女が出雲に言うと、出雲は君を守るためにこの世界に来たんだと返した。そして、出雲の身体に狼の伸びて硬くなった毛が刺さると、出雲は狼の毛による攻撃の痛みを気にせずに狼の身体を両腕で掴んだ。
「今のうちに! 倒せ!」
擦れ声で叫んだ出雲は、一年振りに大声で叫んだと笑顔になっていた。その声を聞いた二人は、持っていた剣で狼の胴体を貫く。身体を貫かれた狼は耳を劈く程の雄叫びを上げると、その場に力なく倒れた。
「げほっ……君を守れたから、俺の役目もお終いだね……」
出雲は後ろにいるピンク髪の少女に笑顔のまま話しかけると、その場で大量の血を吐いて力なく地面に倒れてしまった。
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