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倒れた出雲を少女と女性騎士が抱き起こした。出雲は辛うじて息をして、今にも生き絶えそうであった。
「まだ何もお礼をしていないよ! 死なないで!」
ピンク髪の少女が出雲を揺らしながら話しかけると、女性騎士が揺らしてはダメですと言った。出雲を揺らすのをやめたピンク髪の少女は、家に連れて行こうと言った。出雲は家に連れていこうとの言葉を聞いた瞬間、意識を失った。
出雲は意識を失っているなか、夢を見ていた。その夢では周囲に人が沢山いて、出雲に笑いかけていた。出雲はその一人一人と話して、楽しそうに過ごしていた。出雲はこれが楽しいってことかと察した瞬間、夢から覚めてゆっくりと目を開けた。
そこで出雲の目に入った風景は部屋の中であった。その部屋はとても広く二十四畳程の大きさであった。部屋の端にベッドがあり、反対側に机や姿見、タンスなどの生活必需品も置いてあった。
「ここはどこなんだ……天国に来たのか……?」
出雲が目を覚まし周囲を見渡すと、部屋のドアが静かに開いた。
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