0人が本棚に入れています
本棚に追加
合格発表の日から3ヶ月ほどたったある日、
メンバーが集められた。
「ついに日頃のレッスンの成果を発表する時が来た」
日系人のGM(ジェネラルマネージャー)がなにか言うと、メンバーがざわついた。
「来週の日曜日、イベントに参加する事になった」
みんなの表情を見ると、良い話のようだ。
なんの話なんだろう……。
「ただ全員ではない。18人だ」
「なぜ全員ではないのですか?」
リーダーのアンジーが何か質問している。
「常に選抜メンバーは18人だ。
その時、適したメンバーを選抜してパフォーマンスする」
GMはメンバーをゆっくり見渡し、最後にこちらをチラッと見た。
「では。選抜メンバーを発表する」
「アンジー…」
「クインシア…」
GMが手元のファイルを見ながら名前を読み上げている。
その度に、名前を呼ばれたメンバーにみんなが駆け寄って祝福している。
それでなんとなくわかった。
なにかはわからないけど、選抜メンバーが発表されてるんだ。
そして次に思ったのは、自分の名前が呼ばれる事はないという事。
落ちこぼれだし、言葉が話せないしね。
「アオイ」
ほらね。
ん?
「以上18人だ。選ばれなかったメンバーもいつでも交代できるつもりで
本番までしっかり練習するように」
みんなが駆け寄ってくる事はなく、困惑の顔でこちらを見ている。
居た堪れなく俯く。
静けさを切り裂くようにアンジーが2つ手を叩いた。
「みんな、最高のパフォーマンスのために早速練習しましょう」
みんなが立ち上がったので、続くように立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!