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イベントやテレビ出演の度に選抜メンバーの発表があって、全てに選ばれた。
そして本番では必ず片言の現地語を求められた。
最近は、片言ながらみんなに話しかけてみるようになった。
反応はいろいろ。
嬉しそうに返してくれる子、イジワルに意味がわからないといった風に無視する子。
アンジーは、辛抱強く聞いてくれて間違いを訂正してくれる。
ミキ先生の言ってることがわかってくると、ダンスの上達速度も上がってきた。
何かが変わってきていた。
「デビューが決まった」
GMが言ってることもなんかわかる。
「選抜メンバーは、近々イベントで発表する」
いよいよデビューかあ。
デビュー曲なんだろう。
「アンジーは確定だよね」
「そうだね」
メンバーの会話もなんとなくわかる。
感動。
「もう1人いるじゃん。確定が」
「誰?」
「ほら、日本人」
あ、言われてる。
なんか言ってることがわかるのもツライなあ。
「アオイのせいで誰か1人が選ばれないんだよ?」
「おかしいよね。ここは日本じゃないのに」
そんなのわかってるよ。
でも選ばれるんだから仕方ないでしょ。
「でもさ、アオイってカワイイよ」
「はあ?」
「私だいたい隣が多いんだけど、パパが撮ってくれた動画見てたら
アオイのパフォーマンスすごくカワイイの」
嬉しい……。
自分で言うのもなんだけどあおいも可愛いと思ってた。
「それに、アオイのパフォーマンスは最初の頃ほど酷くないよ。
努力してるのはわかる」
泣きそう……。
そっか、あおいの努力は報われてるんだ。
「日本人は本当に勤勉なんだなって思った。
日本はいつかアオイを誇りに思う日が来るかもね」
いや、それは言い過ぎ。
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