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ある夏の終わりの日のことです。
森に、激しい嵐がやって来ました。強い風がびゅうびゅうと吹き荒れ、雨も横殴りにざんさか降って来ます。樹はその中で踏ん張って、必死で立っていました。
そこへ、一羽の小鳥が吹き飛ばされるようにしてやって来ました。
「嵐のせいで帰れません、嵐が去るまでここに居させてください」
「いいとも、ここに入るといいよ」
樹は、自分のうろに小鳥を入れました。うろの中は、狭いけれども激しい風雨をしのげる場所に思えました。
そのまま樹は、一晩中嵐の風雨を耐え続けたのでした。
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