おもてなしの樹

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 次の年の春。  樹の細い枝の先に、きれいな花が一つだけ咲きました。心なしか、樹自体も少しだけ大きくなっているようにも思います。  これはきっと、あの嵐の時に小鳥をうろの中に入れてあげたのが良かったのだろう。樹はそう思いました。  お客様をお迎えして、おもてなししたら、もっと大きく立派になれるかも知れない。樹は、なんだかわくわくして来ました。  まず初めに、うろの中にふかふかの苔を敷き詰めました。こうしたら、この中にいても気持ちよく過ごせるだろう。  それからの日々、樹はお客様が来てくれるのをひたすら待っていました。
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