おもてなしの樹

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 しかし、時が経つに連れ、動物達の姿はだんだん森から見えなくなって行きました。その代わりに、人間が森に現れるようになりました。  人間達は森の近くに村を作って住み、時々森に入って来ました。もちろん樹は、人間がやって来た時も同じようにもてなしました。  村の人間達は、樹を森の神様のように思っていたのか、他の木を切ることはあってもこの樹だけには手をつけませんでした。時にはこの樹の前で祭をすることもありました。  村が大きくなって町になる頃にはそんな風習もすたれて来ましたが、やはり樹は切られることもなく、そこに立ち続けていました。  樹は相変わらず、迷子になったらしい人間や動物がやって来た時に、彼らをもてなしていました。
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