おもてなしの樹

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 どれだけの月日が経ったことでしょう。  ある日、遠い遠い国で戦争が起こりました。戦争はあっという間に世界中を巻き込み、世界のどこにも平穏な場所はなくなってしまいました。毎日世界のどこかで爆弾が爆発し、街が焼かれていました。  樹の生えている森にも、たくさんの爆弾が落とされました。森も、近くの町も、全てが炎に包まれました。  炎から逃れようと、何人かの人や何匹かの動物が樹の所にやって来ました。樹は、その全てをうろの中に迎え入れました。  しかし、樹自体にも炎の手は伸びていました。葉は燃え上がり、枝は焼け、幹は焦げて行きました。  それでも、樹は倒れることはありませんでした。樹はひたすら、その場に立ちつくしていました。
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