家族

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また梅干しを千切って粥に乗せ スプーンで掬い フーフーと息を吹きかける。 「やっぱ料理って難しいよなあ。 飯炊くだけでも すげえ時間かかって。 米 どんくらい洗ったらいいかわかんねえんだもん。 いくら洗っても水 白いしさぁ。」 そう言いながら また あーん。 躊躇せずに口に入れると 涼は嬉しそうに微笑んだ。 「お粥なんて料理でも何でも無いけどさ。 食べてもらえると嬉しいもんだな。 それにすげえ大変。出汁取るのもさ。 どこまで時間かければいいのかわかんないし。 やり過ぎて失敗して エグくてやり直して。 時間早めたら今度は味しないし。 桜井さんに言われた通りのつもりでも 鰹節自体が違うとおんなじようにはならないしな。」 くすっと笑いながら またスプーンを近づける。 「いつも作って貰ってんの 当たり前とかは 思ってないけど でもありがたいなぁ。って 思ったよ。ホント。いつもありがとな。」 ・・もう。 止めて。 こんなの。。 「・・新? 大丈夫か? 無理しないで・・。」 ポロっと涙が零れ落ち 涼はぴくっと スプーンを持つ手を震わせた。 ああ。ダメだ。 「ご・・ごめん・・無理じゃ・ない・けど。」 涼は温かすぎる。 こんなの知らないから。。 涼は手を伸ばし ティッシュを取ると はいはい。と言いながら 俺の目元を拭いてくれた。
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