帝王

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「で。パートナーとして一緒に暮らしていると いう訳か。」 十条はまるで事情聴取でもするかのように 根掘り葉掘り馴れ初めから今までを聞き出し 成る程と頷いた。 「なんなんだよ。もう。。 大事な話があるって言うから来たのに。」 涼介は顔をしかめ グイッとビールを飲む。 「また潰れても面倒は見ないぞ。 恨まれるのはごめんだ。同性の嫉妬は 異性の比では無いからな。」 十条は揶揄う声音でそう言った。 大量の男除けキスマークを見られたあの日から お互いバタバタと忙しく 酒を飲むのはアレ以来。 ちゃんと新には説明して もう一人の同期も 一緒だからと許可は貰ってある。 まあ。それでも少し不貞腐れてましたけどね。。 で。何故か服部はまだで 聞くと敢えて 召集時間をずらしていた事が判明。 十条は俺と新の話が聞きたかったらしく とはいえ 二人きりは新が心配するだろうと 色々気を回したらしい。 変なヤツだけど 意外と気遣いとか出来るんですね。 でもなぁ。。 恥ずかしいんですよ。 今まで頑としてプライベートは秘密の花園と していた身としては。 まあ。それがコイツ。 そんな事お構いなしに ツッコムツッコム。 なんで そんなに興味あるんだろ。 オッさん二人の馴れ初めなんて 面白い訳が無い。 「お前はどうなんだよ。今 誰かいねえの。」 同僚と恋バナする日が来るなんて 思いもしなかったけどな。 自分の事ばかり話して ちょっと悔しいし。 最初バレたって分かった時は血の気が引いたけど お仲間らしい事を知り 更に距離が近づいたのは 正直感じていて。 十条は グイッとウィスキーのロックを飲み干すと ボタンを押し 店員さんにお代わりを頼んだ。
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