帝王

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「あれだけキスマークつける嫉妬深い恋人と 喧嘩になり それでも別れず 逆に毎日 生き生きし始めているだろう。お前。 一体どういう事かと不思議になった。 そういう関係性を築くにはどうしたらいいのかと 話が聞きたくてな。」 十条はそう言って 面倒になったのかボトルを入れ ガバガバとロックグラスにウィスキーを入れた。 酒も強い。 コイツが酔っ払った姿 そういや見た事ないな。。 っつーか。 「まず 相手見つけるトコからだろ? 結婚したくないんじゃ女の子は難しいし 同性として考えるとその場限りは結局 その場限りでさぁ。 かといって ノンケなんてそんなに簡単に どうこういきませんよ。あなた。 あんなものは漫画の世界だけです。」 学生ん時 好きになった奴が居て。 見てるだけでいいなんて 必死に思い込もうと したけど 【性】少年真っ只中でさ。 でも。何も伝えられなかった。 白い目で見られたら。 嫌われたら。 蔑む言葉を浴びせられる想像に 身が震えて。。 十条は ん?と首を傾げる。 「そうか? 学生の時の相手はノンケだったが。」 何を言っている。とでも言わんばかり。 ・・はあ? え。 あるんですか。そんな奇跡。 「え。現実?」 「ああ。」 「お前の勘違いとかじゃなくて?」 そんなの。フィクションでしかあり得ない。 十条は苦笑いを浮かべると 「セックスしていて 勘違いとかあるのか?」 そう言って 肩を竦めた。
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